2010年4月9日金曜日

チャリマンガ2-オーバードライブ



オーバードライブ 通称オバドラ

良くシャカリキと比較される後発の漫画です。
私は知らなかったのですが、こちらの方はアニメ化されたりしたので一般の人の認知度はシャカリキより高い模様。

先にこれを読めばそれなりに面白いのかもしれません。
が、シャカリキを読むと二番煎じ感はものすごいもので、シャカリキを元が解らない様改造し、かつ、近年の理論を踏まえ、その上でごってりと肉付けし、特に恋愛系を多めにする事でテイストを変えて、はい別物が出来上がり。
って製造工程的にはそういう印象を受けるのですが、どうにもこうにも遺伝子がシャカリキだと言う感が拭えません。
世間でシャカリキの劣化版とか、自転車漫画では無く恋愛漫画であると言う人もおりますが、、、、、これはこれでこういう漫画であってシャカリキを引きずって比較してはならない、、、とかいろいろ思ったりしてみるものの、、、、、
「シャカリキの劣化版」というのは言い得て妙。いや、この表現はかなり的確です。
時代はシャカリキより進んでる事もあって、ケイデンス等の概念が出てきます。そういう所はまぁ良いのですが。

んで、このマンガをシャカリキの後に読むとどうなるかと言うと、まずキャラが被ります、、、、。
あのキャラのこの部分とこの部分を持ってきて、あっちからこれを持ってきて、んで外見だけ変えれば、、、、みたいな感じが随所に。
そして、個性を出そうとした意識が強いのか、出てくるキャラに付与された個性が病的すぎるのです。
そりゃもう、自転車って常識人は乗れないですか??ってくらい。(笑)
ほぼ全員が非常識で、非常識な過去を持ち、非常識に動きます。

そうそうちょっと話がそれます。
私が高校の頃はまっていた小説家に夢枕獏が居ます。
バイオレンスホラー的なジャンルを書くのですが、その筋の売れ筋作家としては他に菊池秀行が居ました。こちらのほうが当時はいろいろ有名だった様に思います。
が、私は菊池秀行アレルギーでして、もっぱら夢枕獏しか読まなかったのです。
何が駄目かと言うと、私の印象として菊池秀行は都合が良すぎるのです。
別スレで「ドラえもん的問題解決」と言いましたがこれを強く感じるのです。
普通、どんでん返しなり、意外な結末なり、そういうのを考えるのは作者の才能です。
又、上手くそれらを読まれない様な展開の構成、文章能力も然りです。
が、作家というのはある意味小説というのが一つの世界であれば最大級の神であり、何でも出来てしまうのです。
世界の秩序、法則をいくらでも変えてしまえます。
それを良いことに、例えば、本当にたとえばですが、追い詰められた主人公がやられると思った直前、実は彼はどんな弾丸も弾くが、柔軟性に富む様なクリーム状のコート剤を肌に塗っており、全然通用しませんでした。しかも実は、、、、的な事を後だしじゃんけん的に読み手に言われても寒いわけで、私はそういうのを「ドラえもん的、、、」と称しております。
はい、そういう話の持ってき方が菊池秀行の場合強く感じるのです私は、、、。
その他、中途半端に長々とあるシーンを引っ張った後、次の目的地へ行くのには3行程度でたどり着いてしまったり等の、頭の中でのストーリー進行のクロックに一貫性が無く、要するに途中に表現力が無いから、その過程がとくに面白いわけではないので、結果だけ教えてくれる??って感じになるのです。

って話がすごい横にそれましたが、オーバードライブも個人的にはかなりそれに近い物があるのです。
すごい苦労するはずの事を、何故それが出来たのか説得力ある説明が必要な所、ただただあっさりと「彼はやった」的に書いてしまうのです。
通常出来ない事をいかにしてやるか??そういう展開を考えるのは非常に才能が必要です。
が、残念ながら作者にその才能がありません。
でも盛り上げる為には追い詰められる等の何かが必要です。
だから困らせる展開はつくり、才能は無いので、次のコマで理由はどうであれ達成した事を書いてしまいます。

一生懸命戦って勝ち取ったアドバンテージ。
そこまで盛り上げておきながら、どっかで又何か無いと盛り上がらない訳ですから、そうやって引き離してきたやつらとか、どうやったのか解りませんがあっさり追いついて来てまた戦いが続く。
いや、それが出来るならさっき引き離されたりしなかったでしょ???みたいな感じですね。

と否定的な事を多々書きましたが、一方あれは自転車マンガじゃないから。見たいな事を言う人もおり、そういう観点から見れば案外読めたりもします。

いや、シャカリキの時にも話しましたが、熱ければ良いんです。
そういう意味で熱さは結構あり、私は私なりに一気に読みました。
問題は、熱さもあるが、かなり寒さも持っているのです。(笑)
シャカリキよりはギャグを念頭に置いてる所がありそれはそれで面白かったりもします。かつ、恋愛物っぽい所も強いのでこの辺読者層に少しズレがある様です。

ちなみにシャカリキは、このマンガの存在は知らないまま何か自転車やってたらヒルクライムにどっぷりハマった知人がおり、その人にこのマンガを貸したところ「俺は正しかった」的にバイブルになった様です。(笑)
一方、シャカリキにそれ程熱くなかったというか、どこが熱くなれるのか解らないと言う人が居て、その人はオーバードライブを見せたら、何かチャリンコもやってみたくなったと言っておりました。

ですから、私は否定的ではありますが、オバドラマンセーな人も結構居るのだと思います。
実際、こっちのほうがアニメ化さりたりもして一般に知られ、、、みたいな事を言いましたがこれは結果じゃなくて案外これは必然だったのかもしれません。
そもそもシャカリキのほうはどちらかというと内容が濃過ぎて万人受けでは無く、もともとこのオーバードライブのほうが大衆受けの良い物であり、アニメ化されるのであれば当然こちらになる。そういう物だったのかもしれませんね。

んで、今更フォローじゃないですが改めて。

悪くは無いんですよ。
ただ寒い所はとことん寒くて自分を騙しきれないんです、、、。

0 件のコメント:

コメントを投稿